名義預金とされない正しい贈与とするための手法

2021年12月号

■税務調査で指摘された「申告漏れ相続財産」で最も多い財産

 

国税庁が令和2年12月に公表した「令和元事務年度における相続税の調査等の状況」によれば、申告漏れ財産のうち、最も金額が多いのは「現金・預貯金等」となっています。

 

■税務調査で指摘されやすい項目(名義預金)

 

申告漏れ相続財産の「現金・預貯金等」の中で、納税者にとって最も悩ましいのが、過去の生前贈与(暦年贈与)を税務調査で否認されることです。(平成13年から贈与税の基礎控除は110万円)
そこで、平成13年から20年間(令和2年まで)、毎年110万円を祖父から孫へ贈与した場面を想定してみましょう。

 

祖父は孫の誕生をとても喜んでおり、5歳の年(平成13年)から110万円贈与を開始した。孫名義の通帳を子に作らせ、子や孫が預金を勝手に引き出すことができないよう、キャッシュカードは作らず、金融機関へは祖父の印鑑を届け出た。祖父は孫名義の口座に毎年110万円振り込み、預金通帳を祖父自らが継続的に管理していた。
 贈与を開始して21年目に入る令和3年に祖父の相続が発生した。祖父の相続税申告は相続人で滞りなく行ったが、翌年に税務調査(相続税)が入り、孫名義の口座残高2,200万円(=110万円×20年。利息は考慮外)が祖父の相続財産と認定された。

 

 

■名義預金とは?

 

名義預金とは、口座の名義人と実際にお金を管理していた人が違う預金のことです。 
 孫名義の預金を祖父の相続財産と認定されたこの事案は、「名義預金」に該当し、祖父が孫の名義を借りて預金をしていた、と税務署は判断しました。
 その理由は、「贈与は未成立」であると判断されたからです。孫名義の通帳は祖父が継続的に保管し、届出印は祖父自らの印鑑を使用し、かつ、キャッシュカードの発行もありません。この状況下では、孫はその預金通帳から自由に預金を引き出すことができません。
 そのため、孫の管理下に属してないことから、この預金通帳の残高は孫の財産ではなく祖父の財産と認定されることになります。

 

■名義預金とされない正しい贈与とするための手法

 

贈与を受ける側の預金通帳は受ける側が管理する。
 この場合の管理には、①通帳、②印鑑、③キャッシュカードを受ける側が自ら管理することが求められます。また、110万円については、預金通帳に振り込み、贈与の流れを客観的に残すことが望ましいです。

 

贈与当事者で贈与契約書を作成する。
 贈与契約は口頭でも成立しますが、対税務署への贈与事実の根拠資料として書面を残すことが望ましいです。さらに公証役場等で確定
日付を取得しておくと贈与契約の日付を証明することができます。

 

基礎控除110万円の贈与であっても贈与税申告をする。
  贈与税額がゼロであっても贈与税の申告をし、税務署側に証拠を残しておくことは有効です。

 

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