遺言と生命保険の深い関係

2021年10月号

■生命保険本来の機能

 

生命保険本来の機能の1つに「保障」機能があります。保障機能とは、死亡や高度障害となる不安を、保険金という形で保障することを言います。保障に関する生命保険の格言で、「預貯金は三角、保険は四角」と表現されます。
 つまり、預貯金は少しずつ貯めていくものであるため、「もしも」の場合には十分な金額が確保できない可能性がありますが、保険は「もしも」のことがあった場合には、予め決まった保険金が受け取れます。

 

 

 

■生命保険金(死亡保険金)は誰のもの?

 

死亡保険金は、多くの場合、契約者が契約時に受取人を指定します。そのため、死亡保険金は契約者が亡くなった際、遺産分割協議によらず契約者が指定した受取人が取得することになります。その意味で、遺言と同様の機能があると言えます。

 

保険料は契約者である父が負担しますが、死亡保険金は指定受取人である子が取得するため、実質的には父から子に財産が承継されることになります。しかし、民法の世界では、子が父から相続により取得したものではなく、受取人(子)固有の財産となります(最高裁昭和40年2月2日判決)。
 つまり、子は最初からその財産を持っていたものと考えられ、死亡保険金は遺産分割協議の対象から外れます。
 しかし、子が最初から死亡保険金を保有していたものと考えてしまうと、相続税を課税できないため、相続税法では、死亡保険金は「みなし相続財産」として課税されます。つまり、実質的には子が父から相続したものとして課税されることになります。

 

 

■遺言と生命保険の関係

 

遺言(特定遺贈)は、どんな財産も受遺者(子や孫)に承継させることができます。現金のみならず、不動産、有価証券、その他財産全てが承継対象となります。
 これに対して、生命保険は保険金請求権(請求すれば現金預金)に基づいて取得するものであり、相続財産として継承対象となりません。財産承継機能の点では、遺言の方が勝っていると言えます。
 遺言(特定遺贈)の場合、相続財産は特別受益や遺留分算定基礎に組み入れられますが、生命保険金は受取人固有の財産であるため、原則として特別受益や遺留分算定基礎に組み入れることはありません。

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