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一般社団法人を活用した相続税対策と留意点

2年ほど前から、不動産法人化の場面において、株式会社や合同会社ではなく一般社団法人を活用した節税対策が話題となっています。今月号は、一般社団法人による節税対策の概要と活用する場面の留意点をご説明します。

■そもそも一般社団法人とは?

平成20年12月1日から施行されている「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律」に 基づき設立される社団法人のことです。一定の手続きと法務局への登記のみで簡便に法人格を 取得することができるようになりました。これらの法人は「剰余金(配当など)の分配を目的 としない」という性質はありますが、現在はその事業の公共性の有無を問われないことになっています。つまり、営利法人である株式会社などと同様に収益事業や共益事業を設立運営することができます。

■一般社団法人の特徴(税制及び法制)

一般社団法人・一般財団法人に対する法人税は以下の通りです。

法人税法上の非営利型法人の要件を満たさない一般社団法人は普通法人として扱われ、全ての所得が課税対象となり、通常の株式会社と何ら変わりはありません。
相違点は以下のとおりです。
 ・株式会社と異なり、剰余金(配当、残余財産など)の分配不可
 ・株式会社の所有者は株主であり、その出資数により権利を有します。これに対して、一般社団法人の所有者は存在しません。つまり、誰のものでもないのです。

■財産を移したときの課税関係<br>
株式会社の場合:
不動産を株式会社に売却した場合には譲渡所得税が課税されます。
一般財団法人の場合:株式会社と同様に不動産を一般社団法人に売却した場合には譲渡所得税が課税されます。

■財産を移した後の課税関係

株式会社の場合:
株式会社で法人化した場合、資本金100万円でスタートし、株式価格が同額であったものが、10年後にはその価値が5,000万円になっていることもあります。株式所有者が会社オーナーということになりますので、次世代(長男など)でなく地主様(父)が株主の場合には、法人化後も相続財産が膨らむことになってしまいます。
一般社団法人の場合:
一般社団法人には所有者がいません。つまり、持分を持っている人がいないことを意味します。そのため、一般社団法人の支配権を相続財産として考えて相続税を課税するということが明確に定められていません。これが、一般社団法人を相続税対策に用いると有効であるという理由です。ただし、相続税法基本通達11の2-1において「法律上の根拠がなくても経済的価値があれば相続税法における相続財産に含まれる」と言っているため、一般社団法人の支配権に相続税が課税されてしまう可能性はゼロではありません。 

■一般社団法人活用の留意点

現在の税法では、一般社団法人に財産を移した時の課税関係は明確に定めています。ところが、財産を移した後の課税関係を明確に定めていません。平成20年施行当初、国税庁は相続税対策としての利用方法を想定しておらず、最近では問題視する記事が目立つようになりました。今後、将来的に上記メリットを防ぐ税制改正の可能性が残りますので、利用には慎重を期すことが必要ではあります。

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