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アーバンニュース

2017.9月号 民事信託(基礎編2)

先月号は民事信託の仕組みや使い方など一般的知識を解説しましたが、今月号は民事信託が最も効果的となる「認知症」対策について考えていきたいと思います。

■認知症の問題点

<遺言作成段階での意思能力>
 自筆証書遺言・公正証書遺言の場合でも、問題になるのは作成段階で意思能力があったかどうかになります。
  ➡ 法律行為である以上、意思能力の有無が全てとなります。

<養子縁組>
 養子縁組(養子離縁を含む)ができません
   ➡ 相続税対策、遺留分対策ができません。

<認知症を発症している相続人の存在>
  相続人に意思能力無能力者(認知症)がいる場合(例えば母)
   ➡ 父に相続が発生した場合には、特別代理人の選任が必要となります。
    法定相続分を取得は免れません(家庭裁判所の立場)。
   ➡ 仮に遺言が書いてあっても遺留分減殺請求は免れません。

<生命保険契約での意思能力>
 1) 相続税の非課税枠獲得のための保険加入
   ➡ 認知症を発症した段階では生命保険契約を締結できません。
   ➡ 既契約の保険についても、認知症発症後は死亡保険金受取人の変更ができません。
 2) 生前贈与資金で保険加入
   生前贈与している段階で認知症を発症し意思能力が亡くなった場合
   ➡ その後の生前贈与につき贈与契約は無効になります。
 3) 名義変更(個人)
   認知症発症している場合
   ➡ 個人契約の生命保険につき、名義変更を行うことはできません。

<不動産における各種契約段階での意思能力>
 1) 建物の(大規模)修繕・管理
   ➡ 現状、そのまま進めているケースが多発していますが、本来は全て無効の契約です。
    「大規模修繕ができない」「エレベーターの保守・修繕ができない」ことは、賃貸経営は不可ということになります。

 

 2) 収益物件建築・建替 / 物件売却・買換え
   ➡ 認知症である以上、契約はできません。
 3) 親(祖父)の土地に子(孫)のマイホーム建築
   ➡ 抵当権が設定できないため、子(孫)がローンを使っての建築ができません。

■認知症対策

 信託とは、「財産の管理権限」と「財産の価値や利益の帰属権限」を分離できる仕組みです。

このように、所有権では分けることのできなかった権限を、信託では別々に分けて考えることができます。したがって、自分自身がその後認知症になったとしても、受託者(お願いされた人)により契約行為をしてもらうことができるようになります。

※信託は認知症対策になります。通常、認知症になると意思決定ができないため、資産が凍結されてしまいますが、信託しておくことで契約行為(管理処分行為)を行うことが可能になります。

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