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アーバンニュース

2016.12月号 相続法(民法)改正における最新動向

相続法という法律はなく、民法第5編の「相続」で規定されている条文の総称として相続法と呼んでいます。相続法は民法第882~1044条に収められていて、「総則」「相続」「遺言」「遺留分」の4つを柱に組み立てられています。その相続法改正が法務省で現在議論されています。

法務省が平成28年6月に「民法等の改正に関する中間試案(案)」を取りまとめ、7月12日から9月30日まで、パブリックコメント(公衆の意見)が募集されました。10月28日公表のパブリックコメント(公衆の意見)の概要を見ると、中間試案の主な内容のうち、注目されていたのは下記の通りです。

1.配偶者の居住権を保護するための方策

配偶者短期居住権 遺産分割がおわるまで、配偶者は引き続きその被相続人所有の建物に無償で居住できるものとする。 配偶者長期居住権 終身または一定期間、配偶者は相続開始時に居住していた被相続人所有の建物に居住することができる権利を創設する。

● 短期居住権の新設については、賛成意見が多く、長期居住権にの新設については、賛否が分かれています。

2.遺産分割に関する見直し

① 配偶者の相続分の見直し(3案あり)
1) 婚姻後に被相続人の財産が一定の割合以上増加した場合に、その割合に応じて配偶者の相続分を増やす案
2) 婚姻後20年(30年)経過後にその夫婦の合意により届け出した場合に、配偶者の相続分を引き上げることができる案
3) 婚姻後20年(30年)経過した場合に、自動的に配偶者の相続分を引き上げることができる案
② 可分債権(*1)の遺産分割における取り扱い ③ 一部分割の要件及び残余の遺産分割における規律の明確化等

(*1)性質上分割が可能であり、分割給付を目的とする債権を意味します。例えば、売買代金や預金などの金銭債権は可分債権にあたります。

● 現行法では婚姻期間の長短にかかわらず、法定相続分は一定です。
「財産形成に貢献できるのは配偶者だけでなく、他の相続人、内縁関係の者もいる」など、配偶者の相続分のみを一律に引き上げる案は反対意見が多数を占めています。

3.遺言制度に関する見直し

① 自筆証書遺言の方式緩和
(不動産や預貯金の表示は自筆でなくてもよいとする案)
② 自筆証書遺言の保管制度の創設
(自筆証書遺言を一定の公的機関に原本の保管を委託できる制度を創設する案)
③ 遺言執行者の権限の明確化等

4.遺留分制度に関する見直し

① 遺留分減殺請求権の効力及び法的性質の見直し ② 遺留分の算定方法の見直し ③ 遺留分侵害額の算定における債務の取り扱いに関する見直し

5.相続人以外の者の貢献を考慮するための方策

被相続人の療養看護などをした親族(相続人を除く)が、相続人に金銭の支払いを請求することができる制度の創設

●「療養介護などに貢献した人を保護する必要がある」と賛成意見がありました。

■ 今後の方向性

法務省は今後、中間試案を大幅に見直した案を相続部会(法務大臣の諮問機関である法制審議会のおける部会の1つ)に提示し、法務大臣に答申を出すことになると思われます。これを受けて、法務省は来年の国会への民法改正案提出を目指すことになりそうです。

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